講演2 :「青蓮院門跡について」
司 会

  続きまして,青蓮院門跡門主でいらっしゃいます東伏見慈晃様よりお話を頂戴します。

東 伏 見

  青蓮院に初めて来られた方はちょっとお手を挙げていただけますか。そうですね,3分の2ぐらいですか。それでは,名前を知らなかった,今回初めて知ったという方,お手を挙げてください。幸い皆さん知ってくださっていたようですね。門跡寺院というのは天台宗では京都に5つございます。青蓮院,妙法院,三千院,毘沙門堂,曼殊院。門跡寺院というのは,五筋の白い筋を塀に記すことが許されていることでも知られますが,天皇のお子さん,親王さんが仏門にお入りになるということで特別に決められた格式の高いお寺でございます。平安時代のはじめは確固たる形ではなかったんですね。天台宗は平安時代初期,伝教大師・最澄さんがお開きになりまして比叡山に国家安泰,皇室の繁栄を祈願してはじまったわけです。平安京は桓武天皇がお開きになったわけですが,桓武天皇は非常に伝教大師を尊敬されて,いろいろ教えを受けられた。都を定める時に,比叡山が鬼門であるということで,鬼門を治める意味でお寺が造られたのが始まりでございまして,天台宗はそういう意味で京都と共にある,そして国と共にあると言いましょうか,国の繁栄を常に祈願しているわけでございます。そういう中で門跡寺院というものができ,親王が仏門に入られるということが次第に慣わしとなりまして,仏教というものが広く人々に信仰されるようになりました。鎌倉時代になりますと,親鸞上人や法然上人といった方々がさらに広く日本中に仏教を伝えていきました。法然上人さんはお隣でありまして,知恩院さんですね。

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