説明:「京都創生について」
司 会

 それでは第二部を始めます。始めに京都創生の取組につきまして、先ほど御挨拶させていただきました京都市総合企画局京都創生推進室長の白須よりお話させていただきます。

白 須

 度々失礼致します。この京都創生の取組につきまして少々お時間をいただき,簡単に御説明させていただきます。

 京都につきましては皆さんも御承知のように、794年に都が開かれて以来、ずっと日本の中心でありました。明治になって東京に都が移ってからも様々な形で発展を続けてきたのですけれども、今、世の中の状況が変わっていく中で、例えば、町中でマンションが増えてきたり、交通渋滞の問題とか、様々な問題が起こってきております。そうした中で、世界のグローバル化といいますか、世界が一つの方向に進む中で、やっぱり日本の良さというものを守っていくためには、京都が先頭に立って、まずは京都の良さを守ることが大事じゃないか、ということで京都市ではこの京都創生の取組を進めております。京都をより良い町にするためには色々な取組があります。福祉の問題も大事、医療も大事、教育の問題も大事でありますけれども、この京都創生では、京都が最も京都らしい部分を更に伸ばしていくということで、景観と文化と、この2つを守って育てていくということを考えております。景観につきましては、京都らしい景観の保全・再生ということで、1つは、皆さんも御承知のように、嵯峨野や東山、そういった所を京都市では、土地をお持ちの方も勝手に建物を建てたりできない形で昔ながらの景観をお寺などと一緒に守る取組を進めております。一方、祇園地域とか、嵯峨の鳥居本とか、そういったところを「伝統的建造物群保存地区」ということで守っております。そういう様々な取組をする中で、京都の良さを今後も守って将来に引き継いでいこうと考えております。

 一方、文化では、京都は色々な歴史に裏打ちされた芸能であるとか、文化や文化財、本日の会場の妙心寺さんもそうですし、色々な寺社もございます。そういったものを防火とか防災の観点からも守って未来に伝えていくことが必要でございます。まずは京都市民自らが積極的に取り組んでいく必要があるわけでございますけれども、なかなかこれだけの資産を京都市民だけで守るのは難しいということで「国家戦略としての京都創生」として、国の力で京都を支援していただきたいという取組も進めております。例えば、先ほど申しました嵯峨の景観を守ろうとすると土地をお持ちの方は建物が建てられないということで、財産の利用ができない。その場合は、京都市に申し出がありましたら、京都市で土地を買うということもしております。その際に国から7割、3割を京都市が出すとなると多額のお金がいる。また、皆さん方お気づきかと思いますが、電線が京都の町中はまだまだ張ってあるということで、せっかく景観を大事にしても電線の地中化を進めないとやはり綺麗な景観にならない。こういった点でもたくさんのお金が要ります。そういうことで、京都市、京都市民も努力するけれども国の責任として、是非京都の良さを守るために協力していただきたいという取組を進めております。

 これを3年前から進めておりまして、今、国会で議員連盟もできております。昨年には「京都創生推進フォーラム」という組織もできまして、市民の皆様方と一緒になって京都の良さを守っていきたいと思っております。そうした中で、市民の皆様方が京都の良さをより知っていただいて、また外の有識者の方の御意見もお聞きし、その中で、我々が京都の良さを守り育て、なおかつ国にお願いしていこう、というのがこの京都創生の取組でございます。そういった趣旨を御理解いただきまして、今後とも皆様お一人お一人が、より京都の良さを守り育てていくために努力していただければと思っております。京都市も歴史都市・京都の創生を市長が最重点施策という形で位置付け、取組を進めておりますので、ぜひ御協力御支援をお願いしたいと思います。簡単ではございますけれども、歴史都市・京都創生の取り組みについて御説明させていただきました。どうもありがとうございました。

(拍手)

司 会

 ありがとうございました。それでは、本日、講師としてお迎えしております、大矢麻利子様の講演に移らせていただきたいと思います。御案内のとおり、大矢様は関西のお生まれです。大阪の花の万博のPR 誌や広報で御活躍されました後、東京に移られまして「レタスクラブ」の記者、副編集長等を経て現在、編集長として御活躍でございます。本日は「生活提案誌から見た京都」をテーマにお話をいただきたいと思います。それでは、どうぞ拍手でお迎えください。

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